2月15日（土）尼崎市総合文化センター（アルカイックホール）にて、東京女子医科大学東医療センター教授・小児科部長杉原茂孝先生、大阪大学 大学院工学研究科嶋寺光先生をお招きし、「エコチル調査公開講座」を開催しました。

最初にエコチル調査兵庫ユニットセンター長　島正之より、「エコチル調査でわかってきたこと」についてご報告をさせていただきました。

エコチル調査開始から9年目に突入し、いよいよ折り返し地点に差し掛かろうとしています。兵庫ユニットセンターからは、「父親の化学物質への職業性ばく露と出生時の性比との関連」を報告し、皆様から頂いた貴重なデータが研究成果として少しずつ結果となっています。

長期的な調査で皆様にはご負担をおかけいたしますが、子どもの健康と環境との関連を解明し、将来の子どもたちが安心して健やかに育つ環境づくりを目指してまいりますので引き続きご協力をお願いいたします。

次に嶋寺光先生から「ＰＭ_2.5濃度の把握と予測」についてご講演頂きました。PM_2.5は今日よく耳にしますが、コンピュータ・シミュレーションによる大気中の化学物質の動態をスクリーンを通して実際目にする事で大陸からの影響を色々考えさせられました。

次に杉原茂孝先生から「小児肥満症～将来子どもを糖尿病にしないために～」をご講演頂きました。からだの成り立ちなどの基本的なことから始まり、肥満の基準とリスクについて説明して頂いた後、体質や環境の影響について私たちの身近なものに例えての説明でした。また、時系列で胎児期から思春期までデータでの説明があり、具体的に実行しやすい運動プログラムなど工夫された大変分かりやすい内容でした。

子育て中のスタッフ自身もあらためて勉強になりました。特に「子どものやる気をなくす会話」については普段の子どもとの接し方に置き換えて猛省しました。講演終了後には参加者からの質問にも答えて頂き、あっという間に予定終了時間となりました。

参加者から頂いたアンケートでは、今後もエコチル調査へ期待して頂いているご意見を頂き、スタッフ一同これまで以上に尽力していくことを改めて決意しております。お忙しい中ご参加いただきました皆様どうもありがとうございました。

来年も子育ての悩みや疑問の解決につながるような講演を企画したいと思いますので皆様のご参加をお待ちしております。